・広州新華大学のXinglin Liらは月経痛に対する非薬物治療の有効性についてレビューとメタ分析を行った結果を発表した。
・調査された非薬物治療は月経痛を軽減する傾向が認められた。
・期間について、特に運動と鍼治療は1〜3ヶ月の短期間で有効性が見られた。
はじめに
広州新華大学のXinglin Liらは1月19日、月経痛に対する非薬物治療の有効性について、体系的なレビューとメタ分析行った結果を発表した。
この研究は、英国医師会が発刊するインパクトファクター96.2のBMJに掲載された1)
1)Xinglin Li, Xinyu Hao, Jian-hua Liu, Jian-peng Huang. Efficacy of non-pharmacological interventions for primary dysmenorrhoea: a systematic review and Bayesian network meta-analysis.
BMJ Evid Based Med. 2024 Jan 19:bmjebm-2023-112434. doi: 10.1136/bmjebm-2023-112434.
月経痛に対して非薬物治療の有効性を検討
『月経痛』、『生理痛』、正式名称では原発性月経困難症と呼ばれるものは、特定の骨盤病理を伴わない月経前または月経中に起こる下腹部のけいれん性の痛みとして定義されている。
月経痛を経験している割合は8〜9割にも上り、症状は腹痛に限らず頭痛やめまい、疲労感など全身的な身体症状を伴う。
重症度に差はあれど、多くの月経痛を抱える方が、その期間のQOLに影響を与えることは明白であり、本論文はそのような理由から研究が進んだものと考えられる。
先行研究では、月経痛の原因として子宮筋層の収縮亢進や子宮の筋肉への酸素供給不足を引き起こす異常なプロスタグランジンの放出と考えられている。また、食生活や不健康なライフスタイルも月経痛の発生に寄与すると考えられている。
月経痛に対する薬物を用いた治療では、非ステロイド性抗炎症薬が主に用いられているが、服用に伴う副作用は無視できないものとなっていた。
近年では、非薬物療法が臨床現場で顕著な効果をもたらしており、実際に非侵襲的または最小限の侵襲的な方法で行われている。
今回、研究グループは、非薬物療法が月経痛に対して有効性があるかどうかを検討するため、系統的レビューとメタ分析を行った。
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