・アメリカのテキサスA&M大学のEun-Jung Yoonらはメイクをした状態で運動をした際に肌にどのような影響があるかを発表した。
・研究参加者の額と頬の一部にファンデーションを塗ってトレッドミル歩行の前後で肌の状態を調べた。
・肌が乾燥しやすい人はメイクをして運動をすることは推奨されないことがわかった。
はじめに
アメリカのテキサスA&M大学のEun-Jong Yoonらは3月6日、ファンデーションがトレッドミル運動時の肌状態に及ぼす影響について調べる研究に関する発表を行った。
この研究は、米国団体が発刊するインパクトファクター3.1のJournal of Cosmetic Dermatologyに掲載された1)
メイクをした状態で運動をした際の肌状態を検討
日焼け止めをはじめとし、運動をする際にも化粧品を使用することは近年当たり前のこととなっている。最近ではファンデーションといった化粧の下地に日焼け止めの効果が伴った商品も多く販売されており、運動中でも問題なく化粧品の使用をすることが可能である。しかしながら運動時には発汗など生理学的現象が発生し、外部環境との最前線である肌ではさまざまな変化が起こっているといえる。そんな肌に運動中でも化粧品を使用することは果たして問題ないことなのだろうか。
皮膚は人体のいわゆる『外側』を構成しており、外部環境からの侵入の障壁として機能している。この肌では水分と油分が不十分になると皮膚状態に悪影響を及ぼすことがある。悪影響により発生する症状としてニキビなどが挙げられる。
そんな皮膚の健康を維持するために効果的な方法はいくつか存在している。
適切な時間の睡眠・栄養バランスの取れた食事・スキンケア・適度な運動などが挙げられる。
中でも運動は身体の内部温度を上昇させることにより、毛穴の拡張を起こし老廃物や皮脂が排出されるメカニズムが起こる。
イギリスで行われた2200人を対象とした調査では、約60%の人がジムに通う際にメイクをしていると報告がされている。メイクに使用するファンデーションは肌の毛穴を詰まらせ、皮膚に悪影響を与える可能性があると著者は述べており、運動中に化粧をしている人は皮膚にむしろ悪影響を与えてしまっているのではないかという仮説を立てた。しかしながらそのような調査を行った先行研究はなく、今回ファンデーションを使用した際の運動時の皮膚状態に関する研究が行われた。
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