寒い季節から徐々に暖かい季節へ移り変わるこの時期。体温調節やコンディション調整が難しくなりがちである。首から肩のトラブルも同時に生じやすく、そこからくる手や腕の痺れやだるさに悩まされる人も多い。
その中でも、代表的な症状である胸郭出口症候群について解説をしていく。
まず、胸郭出口とは首の前面から鎖骨を経由して胸の間までにある通路の事である。ここを脳から伸びる神経が、頸椎から肋骨と鎖骨との間を通過して、脇の下を経由して腕まで到達する。その際に、これらの各部位で神経、血管が圧迫されると腕にしびれや痛みが生じてしまうのである。 (鎖骨下動脈、腕神経そう)
症状が悪化すると、前腕から手の指にかけて強い痛みを感じるようになる。更に握力が弱くなった り、細かい動作がしにくくなったりするような症状が現れるので、より注意が必要となる。
続いて、胸郭が小さく、首が長い女性、なで肩の若い女性がなりやすい。加えて、猫背姿勢も胸郭 出口の圧迫を助長することが多いケースである。職業別においては、圧倒的にデスクワーカーが多数を占め、その他では美容師、教員などの腕を上げる頻度が高い仕事にも多いと言われてい る。
胸郭出口症候群は他の末梢神経損傷や頸椎疾患と混合しやすい傾向があるので、MRI、レントゲンによる鑑別診断が重要となる。その上で、正しいリハビリやケアをすることが症状緩和の筋道 となる。
以上の事から、予防という側面でも過度に緊張した首、肩、鎖骨周辺、前胸部の筋肉を緩めつつ、不良な姿勢を改善する要素が不可欠となる。これらに紐づいたエクササイズ、ストレッチは以 下の3種目となる。
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