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高齢者の年間転倒率10〜25%・要介護原因の13.9%が「骨折・転倒」―転倒予防スキルが高齢者の未来を変える

転倒は「骨折」だけでなく「要介護」の直接的引き金になる

地域在住高齢者の年間転倒発生率は10〜25%

日本リハビリテーション医学会誌(Vol.62 No.1, 2025)によれば、わが国の地域在住高齢者の年間転倒発生率は10〜25%である。和歌山県の地域在住高齢者を対象とした調査では、3年間で男性17.4%、女性**24.1%**が転倒を経験し、多数回転倒(2回以上)もそれぞれ11.9%、12.4%に認められた。転倒リスクは加齢とともに上昇し、東京消防庁のデータでは後期高齢者(75歳以上)の救急搬送原因のほとんどを転倒が占めている。

転倒・骨折が要介護の第3位の原因

内閣府「令和4年版高齢社会白書」によれば、65歳以上の要介護者等が介護を必要とした主な原因の第3位は**「骨折・転倒」で13.9%(令和4年度)を占め、認知症・脳血管疾患に次ぐ主要因となっている。さらに内閣府「平成17年度高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」では、自宅で転倒してけがをした高齢者のうち5.7%が「常時、介護や介助が必要となった」**と回答している。85歳以上では約21%がその後要介護状態へ移行したという深刻な数字も示されている。

データ区分数値
地域在住高齢者の年間転倒率10〜25%(JJRMCより)
3年間の転倒率(女性・和歌山県調査)24.1%
要介護原因に占める「骨折・転倒」13.9%(令和4年版白書)
転倒後に常時介護が必要になった割合5.7%(平成17年度内閣府調査)
85歳以上の転倒後要介護移行率約21%

※各公的資料より作成。モバイル表示対応


フレイルと転倒は互いに悪循環を形成する

フレイルが転倒リスクを1.3倍高める

日本リハビリテーション医学会誌掲載の研究でも指摘されているように、フレイル(加齢による心身の脆弱化)は転倒リスクを1.3倍高めることが報告されている。フレイル高齢者の転倒率(27.1%)は、健常高齢者(19.0%)と比べて明らかに高く、フレイルが転倒のリスクを増大させる一方、転倒による活動量の低下がさらなるフレイルの進行を招くという悪循環を形成しやすい。

転倒恐怖がフレイルを加速させる

転倒は身体的なダメージだけでなく、「また転ぶかもしれない」という**転倒恐怖(fear of falling)**を引き起こす。この転倒恐怖は外出・活動意欲の低下につながり、廃用性の筋力低下や社会的孤立を促進し、フレイルをさらに深刻化させる。一度転倒した高齢者が「転ばないように動かない」ことで、逆に転倒リスクが高まるという皮肉な構造が生まれる。

屋内転倒とフレイルの関係

同論文では、屋内での転倒はフレイルと特に関連が高いことが指摘されている。屋外での転倒はむしろ比較的活動的な高齢者に多い一方、屋内での転倒は身体機能が低下したフレイルな高齢者に集中する傾向がある。この知見は、住環境の整備と身体機能改善の両面からのアプローチが求められることを示している。

フレイルへの運動介入の効果

フレイル解消に向けた介入として、運動+栄養の複合介入が最も効果的であることが研究で示されており、3か月後のフレイル解消率は運動+栄養群で**45.0%**に達したという報告もある。厚生労働省「介護予防マニュアル改訂版」でも、フレイル予防として筋力トレーニングや有酸素運動、栄養改善の組み合わせが推奨されている。


おわりに:転倒予防スキルを身につけることが高齢者の健康を守る

85歳以上の高齢者では、自宅内で転倒した後に「常時、介護や介助が必要となった」と回答した割合が約21%に上る。</cite>たった一度の転倒が、その後の生涯にわたる介護生活を招く可能性がある――。これは決して他人事ではなく、私たちが毎日向き合っている高齢者の現実だ。

転倒を未然に防ぐ視点と、転倒リスクに対する改善介入のスキルを身につけることは、高齢者の健康寿命延伸に直結する。トレーナー、アスレティックトレーナー、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師として、フレイルの評価、筋力トレーニング、バランス改善、住環境への助言など、私たちにできることは多い。

現在、ミラウェルでは長年にわたり高齢者の転倒に関する研究を行ってきた理学療法士が語る「転倒予防の戦略」が学べるセミナー動画を配信中だ。 転倒を防ぐ視点と介入のヒントを体系的に学べる内容となっており、高齢者の健康を守りたいすべての臨床家・支援者にぜひ活用してもらいたい。

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参考情報


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著者:ミラウェルの中の人
mirawell メディアディレクター

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ミラウェルのメディアディレクター
これまで、約150を超えるセミナーコンテンツ(協会等の外部主催含む)の
プロデュース/コンテンツ制作/集客/ディレクションを担当。

<保有資格>
・柔道整復師
・NSCA-CPT
・JADP認定スポーツメンタルトレーナー
・認定フェムテックエキスパート (日本フェムテック協会認定資格2級)

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