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EAA(必須アミノ酸)補給が筋タンパク質合成および筋機能に及ぼす影響

ポイント

・ EAA(必須アミノ酸)は筋タンパク質合成(MPS)を促進するために重要な栄養素である。
・遊離型EAAは吸収が速く、摂取後すぐに血中EAA濃度を上昇させることでMPSを刺激する。
・トレーニング時だけでなく、高齢者や減量中など筋肉を維持したい状況でも有効性が示されている。
この論文は「International Society of Sports Nutrition Position Stand」に2023年に搭載された。

はじめに

EAA補給の背景と目的
EAA(Essential Amino Acids:必須アミノ酸)は体内で合成できないため、食事やサプリメントから摂取する必要がある。本ポジションスタンドでは、EAA補給が筋タンパク質合成や筋機能、運動パフォーマンスに与える影響について、これまでの研究を総括し、スポーツ選手から高齢者まで幅広い対象への有用性を評価した。

EAA補給による筋タンパク質合成および筋機能への影響

・ EAAは筋タンパク質合成を強く刺激し、筋タンパク質の維持・修復を促進した。
・遊離型EAAは摂取後に血中EAA濃度を速やかに上昇させ、完全タンパク質と比較して同量でより大きなMPS刺激が認められた。
・安静時では約1.5〜3.0gでMPSが刺激され始め、15〜18g程度で効果は飽和した。
・MPSの刺激には非必須アミノ酸は必要なく、EAAのみで十分な効果が得られた。
・高齢者ではロイシン含有量の高いEAAがアナボリックレジスタンスの改善に有効であり、運動を伴わなくても身体機能の改善が期待された。
・カロリー制限中はEAA必要量が増加し、筋量維持のために十分な摂取が重要であった。

EAA補給の臨床的・実践的意義

本ポジションスタンドから、EAAは筋タンパク質合成を効率よく促進する栄養戦略として有用であることが示された。特に遊離型EAAは吸収速度が速く、トレーニング直後や食事で十分なタンパク質を摂取しにくい場面で有効性が高いと考えられる。また、高齢者や減量中など筋肉量が低下しやすい状況でも有益であることから、競技者だけでなく一般成人や高齢者の栄養管理にも応用できる。一方で、EAAサプリメントのみで十分というわけではなく、日常の総タンパク質摂取量やバランスの取れた食事を基本とした上で活用することが重要である。

引用元
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37800468/ Physiology, 12:685804. doi: 10.3389/fphys.2021.685804