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工藤 誠 氏『〜第10版〜』 事業を成功させる経営と技術の考え方

セラピストやトレーナーが店舗ビジネスをする時に、真っ先に勉強していくのが技術や知識、スキル。前提条件となるお客様を満足させられる能力がなければ成り立たない商売ですから、9割以上の方がまず磨かれる/勉強される領域だと思います。

ですが店舗ビジネスをしていく中では、技術だけの側面では対応できない能力が必要であり、弊社で面談対応をしていく中でも多くの事業主/経営者の方の苦悩を聞いてきました。

今回はこれから起業を志すセラピストやトレーナー、または開業しているが不安に感じている事業主/経営者に向けた記事になります。ぜひ最後まで見て頂き、自身の考え方に落とし込んでいただければと思います。

冒頭でもお話をさせて頂きましたが、まずは多くのセラピスト/トレーナーの方が技術研鑽をしていきます。お勤め先の勉強会や上司・先輩かもしれませんし、外部の勉強会で熱心に学ぶ方もいらっしゃいます。入職初期や経験年数が浅い時は、自分への自信をつけるためにも知識や技術/スキルの勉強を多くしますし、そこで得た知識や技術/スキルを用いてお客様/患者様に喜んで頂くことで。さらに自分に対しての自信をつけていくことを繰り返し行っていきます。

 ただ多くの場合、お金を直接頂きながらお客様/患者様を改善した経験が無いことで、自分の価値を過小評価してしまう方がいらっしゃいます。非常に勿体無いことではありますが、思っている以上に独立を志す方と面談をしていると多いです。そのため、自分にさらに自信をつけるために勉強を繰り返しし続ける行動をとり、独立までの時間軸が非常に長くなってしまう場合があります。

 勤務先でお客様を喜ばせてきた経験と、お金を直接頂きながら喜んでいただく経験が同じ施術やセッションであっても自分にとっての意味づけは大きく変わってしまっている結果なんですよね。

この行動パターンを繰り返し実行していると開業の準備がいつまで経っても始めることができなくなります。

ですから、自分で開業をして取り組んでいきたいと考えているのであれば、勤務先でお客様を改善してきている事実がある以上、一定の実力は備わっていることをまず自覚することが非常に大事になってきます。勉強熱心な方が多い業界でもありますから自分に対しての許可が出せていない場合が多く、実力はあるのに自己肯定感が低く開業に踏み込めていない場合があるんです。

まずは、自分が現場でお客様/患者様を改善してきた経験に対して意味づけを変えることから始めてみましょう。

実際の広告を使用し集客に実践を始めた際に考えなければならないので、広告の費用対効果の部分になります。費用対効果の合わない広告をいつまでも出稿するわけにはいきませんので、数値をみながら判断をしていかなければなりません。

理想的な広告運用として、初回来店時のお客様にお支払い頂く金額で利益化、または回収できるCPA(獲得単価)で回る広告にです。ただ難しい場合もありますのであくまで理想にはなりますが、実際に弊社で初回から利益化できている店舗様もありますので、事業モデルによっては可能にはなります。ですが多くの場合は難しいので、お客様が2回目の来店で回収できる獲得単価であれば、良い広告と判断して良いと考えています。

一方で悪い判断基準として存在するのが、LTVで設定したCPAになります。

LTVはお客様が自社に支払って頂ける金額になりますが、金額については回数券やコース成約のプロダクト/サービスではない場合、初回で回収することはできない構造になります。

毎月の利用で、LTVが高い金額であったとしてもあくまで今までの平均LTVであるため、平均LTVに合わせてCPAを設定することは非常に危険です。平均LTV以下の金額で離脱されるお客様もいらっしゃるわけですから、そのように考えると完全に赤字になってしまいます。

そのため基本的にはLTVでCPAを設定するのではなく、2回目来店で黒字化できるCPAに設定をしていきながら広告を検討していくことをオススメしています。

独立開業に踏み込んではみたものの、思うように事業が伸びていかない、赤字や売上低迷で苦しんでいる、このようなケースは数多く目にしてきました。

セラピストやトレーナーの方は専門家気質の方が非常に多いので、経営に対しての考え方を身につけることをせずに、自分の技術や知識だけで開業に踏み込んでしまいます。そのため事業作りが非常に甘くなっていることが多いのです。また場合によっては、売上が伸びないのは技術や知識がまだ足りないのではないか❓と考えてしまい、経営に対して学ぶのではなく技術や知識の研鑽に予算をかけてしまう方もいらっしゃいます。

ここではっきりとお伝えいたしますが、この考え方を続けている限り成功はありません。考え方を一新することが事業を成功させる上では非常に重要なことを理解しなければならないのです。

事業を成功させていくには、技術以外の領域である経営についての理解を深めていかなければならず、マーケティングを勉強する必要があります。マーケティングの勉強をすることは専門家の方からするとややストレスになることが多いですが、向き合わない限り改善は無いことを理解し取り組むことを決めてほしいなと常々感じています。

最後に、開業をして年商1000万、2000万、それ以上の規模を目指していくのであれば必ず”経営”と”技術”の両方の研鑽は自分が現役を辞めるまで続けていかなければなりません。

セラピストやトレーナーに勉強をしていて楽しいは、”技術”と経営”のどちらかを聞いたら9割以上が”技術”と答えます。私自身も技術研鑽をしてきた背景があるのでその気持ちは十分に理解することはできます。

ですが自分がビジネスをしていく道を選んだのであれば、”技術”だけ磨いていても成功は得られません。経営の勉強をしながら技術研鑽も続けていく、この考え方をベースに持つことが大切です。多くの場合、”技術”は一定の水準で持たれていますので、足りないので”経営の考え方”になります。最初は大変だとは思いますが、1つ1つ身につけることで成功をすることができますので取り組んでいただければと思います。

実際に悩んでいる/困っている、苦しいご状況であるならばぜひご相談くださいませ。

株式会社Lifemake 代表取締役 
事業構築マーケター 工藤 誠

工藤 誠 氏(くどう まこと)
理学療法士・コンサルティング(マーケティング・広告)
整体院・エステ・パーソナルジムなど、店舗ビジネスの設計全般を支援するマーケター。
現在は広告運用実績は40店舗、コンサルティング契約は40社を超え、赤字経営に転じていたクライアントを次々と回復させる。その他YouTubeやX(Twitter)などのソーシャルメディアを活用して、情報を発信するなど、業界に対して、マーケティング・事業統制の付加価値を提供し、活躍をしている。

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