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デッドリフトを含む運動プログラムが腰痛に及ぼす効果

ポイント

・腰痛は極めて一般的な症状であり、アメリカでは成人の約29%が過去3か月以内に腰痛を経験しているとされる。慢性化することも多く、身体機能やQOL(生活の質)を低下させる原因となる。

・デッドリフトはバーベルを床から引き上げる高強度なフリーウェイト運動で、股関節および膝関節の伸展運動を主とし、脊柱起立筋を中心とした体幹筋の活動量が非常に高いことが報告されている。腰背部の筋力強化を目的とした運動として注目されている。

・腰痛予防・改善を目的とした運動介入研究は多数あるが、デッドリフトのような高負荷トレーニングを実際に腰痛患者に適用する有効性と安全性に焦点を当てた研究は限られている。

はじめに

腰痛に対する運動療法はエビデンスが豊富だが、その多くは低負荷や安定化重視のエクササイズが中心である。一方で、デッドリフトのような高負荷トレーニングは、筋力や機能の改善に有効と考えられる一方で、腰痛患者にとってはリスクも含むと考えられており、慎重な検討が必要である。

Samuel C Fischerらは、デッドリフトを含む運動が腰痛患者にとって安全かつ有効な介入手段となるかを評価することを目的とした。

この論文は『Journal of Sport Rehabilitation』に2021年に掲載された。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33626500/

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