ボディメイク事業のパイオニア的存在『ライザップ社』が、2012年2月に1号店(神宮前店)を開店して以来、我が国におけるウェルネス産業は、この10年間で急成長を遂げてきた。2010年代にボディメイク事業を中心とした、いわゆる『パーソナルジム業態』を主軸とする企業が、次々と産声を上げたのである。
興味深いことに、2024年現在、我が国におけるパーソナルジムの出店数が多い企業15社のうち、なんと14社がこの2010年~2020年中に法人化をしているのである。
「医療費の頭打ち」や「予防医療的価値の普及」など、社会的要因も市場の成長における一因として挙げられるが、このデータをみても、フィットネス市場が急激かつ短期的に成長したことが伺える。さらにデータを比較していくと、1年前までは15社の合計店舗数は862店舗であったが、今現在は1053店舗にまでのぼり、わずか1年間で191店舗も増加していた(増加率122%)。
この推移から業界の現状を考察しても、成熟期に差し掛かっているといえよう。そして、関東を中心とした激戦区エリアではすでに生き残りを懸けた競争が始まっている。そのように競争激化が加速する業界状況下で、各社はどのような競合対策や差別化策を講じているのか。といった題目に、我々は関心を寄せてみることにした。
今回は、各社の『入会金』と『それに対するアンカリング施策(値下げ策やキャンペーン)』についてリサーチを行った。調査を行った結果、以下5つの傾向が明らかとなったのである。(以下図表あり↓)
経営