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食事栄養が睡眠と睡眠障害に与える影響

ポイント

栄養は睡眠の質に強く関与すると考えられ、多くの栄養補助食品が利用されてきたが、その効果は一様ではなく、食事パターンや個人の消化・代謝機能によって大きく左右される点が強調されている。
さらに、栄養はホルモン分泌や炎症状態に影響を与え、これらが直接的または間接的に不眠症の発症や持続に関与する可能性がある。本レビューでは、炭水化物、脂質、アミノ酸、ビタミンといった主要な栄養因子が睡眠および睡眠障害に果たす役割を概観し、それぞれがどのような生理学的メカニズムを通じて睡眠に影響するのかを考察している。総じて、栄養と睡眠の関係は単純ではなく、個別性を考慮した包括的な理解が重要であることが示唆されている。

はじめに

体は24時間周期で振動する概日リズムと呼ばれる生物学的リズムを維持しており、この正常な概日リズは体内時計と、栄養や環境などの外的要因によって調節されており、睡眠障害はこのリズムを乱し、精神的・身体的健康に深刻な悪影響を及ぼす。

食事が睡眠に影響する仕組みとして主に3つの経路が示されている。
第1にカフェインやメラトニンのように、食品成分が睡眠に直接作用する経路である。第2に栄養代謝物や腸内細菌叢の変化を介して間接的に睡眠調節に影響を及ぼす経路、第3に長期的な食生活が炎症状態を変化させ、炎症性サイトカインやストレスホルモンを通じて睡眠障害に関与する可能性が示されている。
これまで食事睡眠に関する研究は数多く行われてきたが、多くは観察研究であり、結果に一貫性がない点が課題とされているためより因果関係を評価しやすい臨床介入研究や、生成された栄養成分に焦点を当てた研究を中心に整理した。
この論文は2020年6月25日Willy Online Libraryに掲載された。

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