ポイント
・栄養が脳の構造的可塑性に重要であることは知られているが機能的な脳の接続にどう影響するかは不明である。
・健康な高齢者96人を対象とした研究で、ω-3PUFAの栄養バイオマーカーが、脳の機能的接続の個人差と関連していることが分かった。
・ω-3PUFAは、前頭前皮質、海馬、偏桃体といった、知能をつかさどる重要な脳領域の機能的接続と関連している。これらの脳領域の接続性が、一般知能、流動性知能、結晶性知能といった知能の指標を予測できるという証拠が示されている。
はじめに
栄養が脳の構造に重要であることは知られているが、機能的な脳の接続にどう影響するかは不明であった。
このギャップを埋めるため、健康な高齢者96人を対象にfMRIとMDMRという先進的な手法を用いて、ω-3PUFAの栄養バイオマーカーが脳の機能的接続における個人差を予測できるかを調査した。
その結果、ω-3PUFAは前頭前皮質、海馬、扁桃体といった知能を司る重要な脳領域の機能的接続と関連していることがわかり、これらの脳領域の接続性が、一般知能、流動性知能、結晶性知能といった知能の指標を予測できるという重要な証拠が示されている。
この論文は2018年12月16日にHUMAN BRAIN MAPPINGに掲載された。
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